日焼けどめが溶け落ちる

タイ中心旅行記ブログ

新装開店しても変わらないイサーン料理店

在住時、よく行ったイサーン料理店に行った。

「イサーン料理」はタイ東北部に伝わる郷土料理だ。さっぱりの中にある酸っぱさと辛さが癖になる。

 

移動中、闇夜にお馴染みの看板を発見し慌ててタクシーを止めた。タイを離れている間に「閉店した」と聞いていたからだ。

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嬉々として入店。屋根付きの野外料理店だ。
店の中は前より小綺麗になり、メニューも前より見やすくなっていた。トイレ横の調理場も仕切りが出来、以前より衛生環境がよくなっていた。
恐らく「閉店」ではなく「改装」だったのだ。

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「名店がリニューアル」ときくと、こういう料理店の場合、ほぼ間違いなく残念な方向に向かったのだと想像してしまうようになった。
昔ながらの情緒ある店内に妙な演出が加わり、外国人観光客であふれ、メニューはすべて写真付き、値段は上がり、従業員は常に苛立っている。以前の姿を知っている者は、寂しさと少しの苛立ちを感じずにはいられない…。

しかしこの店の新装開店は全く悪くなかった。何か欲しがるくせにやると食べない大きな犬。大音量のテレビ。だるそうに回る業務用扇風機。いつ来ても何も泳いでいない水槽…。
大事なものはそのままだった。

 

店員女性にタイ語のできる友人が、店名の由来を聞いた。仏頂面のまま「こうって言ったらこうなのよ!」といって去っていった。これにすら嬉しさを感じ、自分は変態の要素があるのかもしれないと思った。

 


肝心の料理も恐らく変わっていなかった。汗をダラダラかきながらビール飲んだ。
大量に盛られたぶつ切りガイヤーンにむしゃぶりついた。
チムチュムとおしゃべりを愉しんだ。
私が知っているバンコクの夜だった。

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バンコクの進化スピードは、ジェット機のごとく。止まることは許されないような雰囲気だ。
何がそんなにこの街を急がせるのだろう。
もう少しだけこのままで…というだけで叱られそうなくらいなのだ。
この店がどう“変化しない”か。こっそりと見守っていたい。

 

【ラープ・ペット・ポー・4】

スクムビットソイ63

BTSエカマイ駅からタクシーで10分ほど